はじめに
「職場で信頼されていない気がして、自信が持てません。」
34歳のまいさんは、そんな悩みを抱えていました。
私は、アドラー心理学の勇気づけの考え方を意識しながら、まいさんの“価値観”と“目的”に寄り添うことを心がけました。
セッションの始まり
「最近、職場で自分が必要とされていない気がして、何をやっても空回りしている感じがします。
本当はチームの役に立ちたいんですけど、どうしたらいいかわからなくて…」
まいさんは、そう静かに話し始めました。
価値観に光をあてる質問
私は優しく問いかけます。
「そう感じているんですね。それはしんどい状況ですね。
まいさんは、どうしてチームの役に立ちたいと思うんでしょうか?」
まいさんは少し考えてから答えます。
「たぶん、みんなに認められたいんだと思います。焦っちゃうことも多いです。」
共感と具体的な課題の確認
「うんうん、その気持ちわかります。必要とされるって嬉しいですよね。
でも、案外難しいんですよね。特に、何がうまくできていないと感じていますか?」
まいさんは正直な気持ちを話してくれました。
「細かい仕事はできていると思うんですけど、話しかけられることが少なくて…。
仕事以外のことで輪に入れていない感じがします。」
共同体感覚(所属感)への着目
ここで私は、人間関係の課題に寄り添いながら言葉を続けました。
「仕事はバッチリこなせているんですね。
でも、チームメイトとの関係性で違和感を感じているということですね?」
まいさんはうなずきました。
「そうです。みんなが笑っている輪に入れていない気がして、孤立感があります。」
所属したい気持ちを深掘りする
「そうだったんですね。蚊帳の外のように感じて、辛かったんですね。
みんなと仲良くなって、もっと円滑にサポートしたいと思うことはありませんか?」
まいさんは少し考え、答えます。
「はい、仲良くなりたいし支え合いたい気持ちはあります。
でも、どう話しかけていいかわからず遠慮してしまう自分もいます。」
勇気づけと自己肯定感を育む
「話しかけるのは勇気がいりますよね。
チームには年上の方が多いので、余計に大変に感じるかもしれませんね。
でも、これまで友達を作るのに苦労したことはありますか?」
まいさんは過去の経験を振り返りました。
「はい、新しいクラスになじむのが苦手で孤立したことがありました。」
私はこう答えました。
「そうだったんですね。話しかけるのは勇気のいる行動です。
でも、今日こうやって相談に来てくれたこと自体、まいさんはもう一歩踏み出している証拠ですよ。
以前のチームではどうでしたか?」
まいさんは少し微笑んで言いました。
「最初は緊張して話せなかったけど、少しずつ話しかけてランチに誘って、仲良くなれました。」
未来への一歩を促す
「それは素晴らしいですね。過去に勇気を出して行動した経験があるんですね。
今回も、また勇気を出して話しかけてみませんか?」
まいさんは決心したように答えました。
「怖いけど、やってみたいです。もし失敗しても、相談できる場所があると思うと安心します。」
安心感の提供と勇気の強化
「やりたい気持ちが湧いてきたんですね。私も嬉しいです。
失敗してもここで相談してくださいね。挑戦を笑ったりしません。
一歩踏み出す勇気は、気持ちの在り方を良い方向に変えるかもしれません。楽しみですね。」
セッションの振り返りと学び
今回のセッションで改めて感じたのは、アドラー心理学の「目的論」と「勇気づけ」の大切さです。
ただ相手の感情に寄り添うだけでなく、その行動や感情が持つ「目的」に光をあてること。
また、勇気のいる行動を認め、自己肯定感を育てる言葉かけで、クライアントの変化を促せること。
まとめ
勇気づけのカウンセリングは、クライアントの「所属感」や「自己決定」を大事にしながら、未来への一歩を一緒に描く対話です。
まいさんのように、職場で孤立感や自信のなさを感じる方に、少しでも希望や安心を届けられる関わり方を、これからも深めていきたいと思います。
あとがき
このブログを読んでくださってありがとうございます。
あなたの人生が昨日より1mmでも良くなりますように。


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